神社とお寺、初詣はどちらに行くべき?
初詣の正しい作法Q&A①
Q.授与品はどう使うのが正しいの?
A.持ち帰り品と奉納品を区別しましょう。
初詣に行くとさまざまな授与品が準備されているが、歴史的に古いのはお札と考えられる。かつて御師が各地を巡って寺社のご利益を説いて回る際に配っていたのがお札だ。いまでは寺社に出向いて、いただいて来るのが一般的になったが、注意したい点がいくつかある。
まず、神社でいただいたお札は神棚に、お寺でいただいたものは仏壇に祀る。並べる順番は、神社のものなら真ん中に伊勢神宮のお札、向かって右に氏神など自分に縁の深い神社、左にその他の神社のものを並べるとよい。神棚も仏壇もない場合は、高くて清浄な場所に、東向きか南向きに置く。お札やお守りは一年ごとに新しく求めるのがよく、基本的には、受けた寺社でお焚き上げをしてもらう。
こうした授与品のほとんどは、受けたら家に持ち帰るものだが、絵馬だけは持ち帰ってはいけない。もともと生きた馬を神社に奉納したことが起源なので、願い事を書いたら、必ず奉納しよう。おみくじも、所定の場所に結ぶ風習もあるが、どんなことが書かれていても、それは今後の生活の指針になるので、持ち帰って神棚や仏壇に祀るなどした方がよい。
Q.茅の輪(ちのわ)くぐりは何のため?
A.穢れを祓い、無病息災を願います。
神社や宮中では、6月と12月の晦日(6月30日、12月31日)に大祓(おおはら)えという行事が行われる。鳥居の下に茅で編んだ輪を立て、作法に従ってそれをくぐることで、半年間にたまった罪穢れを祓い、無病息災を祈る。
6月に行われるものを夏越(なご)しの祓え、12月のものを年越しの大祓えという。6月の茅の輪くぐりは多くの神社で行われるが、12月は茅が手に入りにくいことなどから、行う神社は比較的少ない。
心の大掃除という意味もあるので、茅の輪を立てている神社があれば、ぜひやっておきたい。
〈雑誌『一個人』2018年1月号より構成〉
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